学習内容

算数の教科書に「電卓マーク」平成15年5月

いま、小学4年生以上の算数科の教科書には、たくさんのページに「電卓マーク」がついているのはご存知だと思います。これは、「この問題は、電卓などの計算機を使ってもいいよ」という指示だそうです。
算数科での電卓使用は、約10年前から認められていて、教科書の電卓マークもかなり以前から見られてはいたのですが、平成14年度の学習指導要領改訂によって、電卓マークが大幅に増えました。基礎的な計算力さえ身についていれば、大きい桁数や複雑な計算の問題では、電卓などを使って計算にかかる時間を減らし、考える時間や理解を深める時間を増やすべきだとの考えがあるとのことです。

では、基礎的な計算力とはどんな物でしょうか? 指導要領では、たし算なら「3桁+3桁」、かけ算なら「2桁×2桁」「3桁×1桁」、小数は第一位までが、筆算等を使って自力で計算する範囲となっています。それ以上(例えば、「3桁×2桁」)は、電卓OKとなります。
計算力・暗算力は、日々のトレーニングによって伸びていきます。そろばんを教えていて、そのことは痛感しています。大きい桁数は電卓まかせなんて、そんなことをしていたら子供の力はどんどん退化するばかりです。ましてや、3桁や4桁程度の計算や小数第二位までの計算は、日常生活に普通に出くわすもので、これが電卓を要するほどの「大きい桁数や複雑な計算」などとは思えません。スーパーで、消費税込みの買い物をして1000円札を支払う、なんて小学生にとっても普段からよくあることでしょう。

ちなみに、中学校の数学では、3桁・4桁の計算などは当たり前に出てきます。当然、中学生の教科書には「電卓マーク」などありません。小学校での電卓使用が一般化してしまったら、中学生になって、いきなり計算ができるはずもなく、単純な計算にも四苦八苦して、問題を解く際に「考える時間や理解を深めるための時間」なんて、とれるはずはないでしょう。

幸い、今のところ当教室のある校区の小学校では、高学年の算数の授業で電卓を常用しているという声は聞かないのですが(学校によっては、たまに使っているらしいですが)、全国的には電卓利用の算数授業がどんどん増えてきています。
最近、その反動からか、子供の学力・計算力低下を懸念し、徹底的な習熟トレーニングをはかる声が各地で聞かれます。
当教室としては、そろばん指導を通じて、子供達の計算力・数感覚を徹底的に鍛えていきたいと考えています。

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