学習内容

暗算練習と検定試験平成17年10月

「そろばんを習うと暗算力が身につく」といいますが、自動的に身につくわけではありません。暗算力を伸ばすためには、やはり、そのための練習が必要です。
そろばんでいう「暗算」とは、単に頭の中での計算を意味するのではなく、頭の中でそろばん珠を操作する「珠算式暗算」のことです。「珠算式暗算」を使いこなすには、まずは徹底したそろばんのはじき込み練習が必要です。そろばんを使わないで、頭の中だけでそろばん珠を動かすのですから、そろばんを使った計算に習熟していないと、結局、暗算もいいかげんなものになりかねません。

テレビで取り上げられる暗算名人の「フラッシュ暗算」などは、楽々といとも簡単に計算しているように見えます。でも、そうなるまでに並大抵ではない練習をしているのです。他のそろばんの先生から、フラッシュ暗算のテレビ放送の影響で、「暗算だけ習いたいんですけど……」という問い合わせが増えた、という話を聞いたことがあります。先に書いたように「そろばんをはじくこと」がそのまま「暗算の練習につながる」のですから、「暗算だけ習う」ということはできるはずありません。そういった問い合わせをする人は、「地道な練習をしなくても、特別な力があっという間に楽に身につく」と勘違いをしているような気がします。
先日、有名な選手を育てている先生に、「どうして先生の教室の生徒たちは、そんなに暗算が上手なんですか?」と聞くと、「練習、練習、また練習。その練習でヘトヘトになったうえにさらに練習すれば、力がつくよ」といわれました。楽をして身につく力などないということでしょう。また、その練習をこなすことで、忍耐力や集中力など、ほかの様々な力も伸びていきます。
当教室で作成し使用している「暗算トレーナー」という暗算練習プリントは、級別になっていますが、例えば6級見取算では、実際の検定試験の倍以上の難しさにしています。そのレベルがある程度こなせるようになってからの暗算検定の受検です。
検定に合格するだけなら、もっと簡単にできるでしょうが、普段から練習レベルのハードルをあげていくことは、本当の力を伸ばしていくためには必要なことだと思っているからです。

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